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ひきこもりの国

ひきこもりの国ひきこもりの国
(2007/03/23)
マイケル・ジーレンジガー

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1997年から7年間にわたって米新聞ナイトリッダー社の東京支局長を務めたマイケル・ジーレンジガー氏の著書。
原題は”Shutting Out the Sun” 
日本の創世神話にある、太陽神である”天照大神”がひきこもリの元祖という話しからつけられたタイトルのようです。

ひきこもりは日本独特の現象であり、甘えや怠惰など個人の問題ではなく、歴史的・社会的に形成されてきた制度やシステムへの反応とみています。ひきこもりの若者や両親、支援者、セラピストたちにインタビューしながら、政治、経済の停滞や国際的孤立について言及。古い情報や思い込みの強い記述もありますが、逆カルチャーショックを静かに受けとめている私には、いくつも共感できるところがありました。
いくつか抜き出し羅列します。

「日本は、アメリカよりはるかに古い歴史と文化を誇る複雑で謎に満ちた国。白の逆は黒ではなく赤。缶入りの熱いコーヒーを自動販売機で買うと、コーヒーがでてくると同時に販売機が丁寧にお礼をいう。(省略)他に類を見ない独特の文明社会を実現している。それは、今日の豊かな先進国で暮らす大部分の人々が現代的な物にはつきものだと考えている価値観、常識、思考法を獲得せずに、文明世界へ突入した珍しい国だからである。」

「生徒間のいじめを防止することはきわめて困難だと、山崎博士はいう。幼い子どもたちは、自分の親やその他の大人たちが、会社、工場といった職場あるいはPTAの会合などで使っている戦術をそっくり模倣しているだけだから。日本人は人種的、民族的、文化的な絆で結ばれた単一民族であり、みんなが同じ思考や価値観を共有している、というのが国家的定説になっている。この単一民族というイデオロギーが、異質な者に対する攻撃を正当化しやすくしている。」

「『伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養う』ことが求められている。それよりも、受験中心の教育を改め、各自が好きな科目を深く学べるようにして、丸暗記よりも批判的思考が評価されるような体制を整えるべき。」

「独立した存在としての個人のなさ、欧米人の大部分は、自己を越えた唯一絶対の力を信仰している。日本人いは、いくつもの信仰対象がある。現代の日本人は、新年になると神社に参拝して健康と繁栄を祈願したかと思えば、ステータスを示すために白人の聖職者を雇ってキリスト教の教会で結婚式をとりおこない、最後には芳香たちこめる仏教寺院で、濃い黄色の衣を着た僧侶が経典を唱えるなか、荼毘に付される、と言うことに何の矛盾も感じない。まことに実用的な信仰のメニューのなかから、必要に応じて必要なものを選ぶというのは、すし屋で好みのネタを注文するのと同じよう。」

「父親は、仕事と、ほとんど義務といってもいい仕事のあとの「飲み会」に明け暮れるという、ストレスいっぱいの一週間で、すっかり疲れ果てた身体を癒すために自宅で昼寝。もしくはゴルフ場で上司とプレーしているか、顧客を招待しての接待。統計によれば日本人男性の週末の過ごし方で、常にトップに位置しているのが「昼寝」
家族問題のカウンセラーによると、日本では熱心に子どもの世話をする父親はめったにいないという。青春期の生活もジェンダー分離を基盤として形成され、歪められている。」

言い難いこともストレートに、人の言葉や統計を交えながら書いており、ブランド崇拝、未婚、晩婚化、少子化、うつ病、自殺の増加、アルコール依存症など、社会病理についても分析しています。
ジーレンジガー氏はユダヤ教信者ですが、信仰について何度も触れています。韓国と日本を比較するときに「キリスト教が韓国の近代化に影響をあたえている」「キリスト教の普及だけに韓国人の意識が変わったことの原因を求めるのはあまりにも単純な議論かもしれない。しかし、韓国の人々は教会の導きによって社会的ネットワークを形成し、見知らぬ者との間に信頼を築き、普遍的な倫理観と個人主義を受け入れるようになった。この普遍的な倫理と個人主義は、彼らの祖父母がー日本がー教えられていた権威主義的な世界感に対する強力な解毒剤となった。」
日米の「共依存」的関係が互いの社会病理の原因となっている可能も示唆しています。



Asia File from Michael Zielenziger, author of Shutting Out the Sun
”Shutting Out the Sun”出版から5年経ち、昨年からアジアと日本についてブログに更新しています。

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テーマ:不安定な心 - ジャンル:心と身体

【 2013/02/22 18:09 】

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